買ってよかったもの

2019.03.20

Beoplay h9iレビュー。最高峰の音質とデザインを兼ね備えたノイズキャンセリングヘッドホン

「精神と時の部屋」のように、周囲から遮断された空間を意図的に作り出せるのがノイズキャンセリングヘッドホンです。

各オーディオメーカーが続々と魅力的な商品をリリースし盛り上がりを見せていますが、見た目・音質・機能性、どれをとっても最高峰の「Beoplay H9i」を購入しました。

使い始めて3ヶ月以上経ちましたが、惚れ惚れする美しさと極上の音質に、使えば使うほど酔いしれております。

 

なおノイキャンヘッドホンを選ぶ上で必ず候補に上がってくる2つの人気機種があります。「Bose QuietComfort 35 wireless headphones II」と「Sony WH-1000XM3」です。

Boseの方は1年以上使っていて、「Sony WH-1000XM3」も店頭に足繁く通い性能チェックしたので、これらの人気機種との比較も交えながらレビューしていこうと思います!

バング&オルフセン(Beoplay)とは?

B&Oというブランド

BANG & OLUFSEN (バング&オルフセン)デンマークの老舗オーディオメーカー。

高品質でありながらも個性的なデザインラインナップでオーディオ好きをうならせる高級ブランドです。

ちょっと敷居が高いブランドですが、より幅広い層に向けてアプローチするために立ち上がったのが、カジュアルラインのB&O PLAY(Beoplay)です。

今回レビューする「H9i」もベオプレイのアイテムとなります。

まあカジュアルラインといってもそこそこの値段しますが、B&Oのクオリティ製品が僕でも手の届くようになったのは大変喜ばしいことです。

見た目、装着感レビュー

各パーツごとに上質な素材が使われていて、かつデザイナーは世界的に有名なプロダクトデザイナーのJAKOB WAGNER (ヤコブ・ワグナー)。

そしてあのAppleが公式に推奨しているヘッドホン。

もうね、美しくないわけがありません。所有欲満たされまくりです。

 

カラーは以下の4種類。

ブラック
ナチュラル
テラコッタ(限定カラー)
ライムストーン(限定カラー)

※なお2019年春夏限定モデルとして「パイン」と「クレイ」カラーが登場予定

レギュラーカラーのブラックとナチュラルがやはり人気みたいですが、ここはあえて秋冬限定カラーのライムストーンをチョイス。

Beoplay H9i ライムストーンカラー

広大な砂丘や砂漠の光にインスパイアされたカラーだそうで、明るさと淡さが混在する絶妙なカラーリングです。

光の当たり具合によっては、シャンパンゴールドやピンクゴールドにも見えます。

Beoplay h9i 21

カジュアル・フォーマルどんな服装でも合わせやすいデザインです。

同じく淡めの色の服に合いそう。今回はグレージャケットと合わせてみました。

Beoplay h9i 着用画像2

Beoplay h9i 着用画像4

Beoplay h9i 着用画像5

ちょっと女性っぽい色かなとも思いましたが、実際に身につけてみると男性にも使いやすいフェミニンな色合いです。被ることもあまりなさそう。

 

各パーツの素材に非常にこだわりを感じられます。それらが合わさってトータルでの高級感を作り出しています。

イヤークッション部分は柔らかく肌触りのいいラムレザーを使用。通気性もあります。

ラムレザーのイヤーパッド 厚みもあり柔らかい

耳すを潰さずすっぽり覆い隠すオーバーイヤー型で、肌に当たるクッション部分も分厚くふわふわ。

つけ心地は非常に気持ちよく、長時間使っても耳が痛くなりません。ヘッドホン選ぶ上でこれ非常に大事。

僕かこれまで愛用していた「Bose QuietComfort 35」と比べてしまうと、やや重みと締めつけ感はありますが、まあBoseのつけ心地は神レベルなので(笑)

つけ心地の良さを比較すると

Bose > B&O ≧ Sony

 

アルミ部分の表面はアルマイト処理が施されていて、傷・摩耗・腐食に強くなっています。

アルミとラムスキンの異質な組み合わせがこの上なく美しい。B&Oのロゴの存在感も際立ってます。

アルマイト加工されたアルミパーツ

裏面には「L」「R」が大きくプリントされていて、ひと目で左右が判断できてわかりやすい。

Beoplay H9iの裏面

ヘッドバンドは無段階調整になっているので、どんな頭の形でもフィットさせることが可能。

無段階調整のヘッドバンド

トップ部分はステッチが施されたシボ感のあるカウレザー。切りっぱなしデザインです。

頭頂部 シボのあるカウレザー

頭頂部はやや硬めの布素材です。固めと言ってもクッション性はあり、身につけていて痛くなったことはありません。

頭部はやや硬めのクッション素材

付属品は以下です。

Beoplay h9i の付属品

  • オーディオケーブル(1.25m)
  • USB-Cケーブル(1.25m)
  • 飛行機用のアダプタ
  • キャリングポーチ
  • 接続アダプタ

キャリングポーチはさらりとしていて肌触りのいい質感。絞りボタンにもB&Oのロゴマークが。

ただこの価格帯のヘッドホンだとしっかりしたキャリングケースがつくことが多く、それに比べると保護性能は心もとないです。

QuietComfort 35 のキャリングケースとの比較

QuietComfort 35 のキャリングケースとの比較

 

充電端子はUSB TYPE-C。周りのガジェットがどんどんType-Cに変わっていっているのでこれは地味に嬉しい。あとはiPhone、君だけだ。

充電端子はUSB TYPE-C

電池持ちは18時間と長いですが、万一切れても有線接続も可能です。

有線接続も可能

有線で聴くとよりパワフルな音圧になります。

音質レビュー

はっきり言います。

音質のいいノイズキャンセリングヘッドホンを探しているのであれば、間違いなくB&O製品を選ぶべき。

同価格帯のヘッドホンでは頭一つ抜けています。絶対に後悔はしないと思う。

クリアでずっと聴いてられる心地よい音

音の好みは人それぞれですが、ロック・ジャズ・テクノ・ポップスあらゆるジャンルを聴く僕はクリアな音質が好み。

低音をやけに強調して迫力を出そうとするヘッドホンは多いですが、ミュージシャンが意図した音のバランスに対して余計な味付けしてほしくないんですよね。忠実に再現してくれればいいんです。

そういう意味でこのヘッドホンはベスト。すべての音域がバランスよく出ています。

高音は伸びがあり、中音域(ボーカル)はしっかり前に出てきて、締まり(キレ)のある低音は不必要に強調されずに非常に心地いい。

ジャンルを選ばない音質で、長時間つけっぱなしでも聴き疲れしません。

音の解像度が高い。ラグジュアリーな音質

音の解像度が非常に高いのもこのヘッドホンの特徴。音がくっきり粒立っていて、透明感がありながらも艶のある音質です。

解像度が高いというのはどんな感じかというと、楽器は生音に忠実で、音にキレがあり、まるでライブ会場にいるような臨場感を味わえる、ということです。

普段聴き取れない音もしっかり拾ってきて、曲によってはこれまでと全く違った印象に感じることも。お気に入りのCDをこのヘッドホンで全て聴き返したくなります。

このヘッドホンを使ったあと別のイヤホンやヘッドホンを使うと、たいていこもって聴こえます。それくらいはっきりと解像度の高さを感じれます。

 

試しに崎山蒼志の「五月雨」を、「Sony WH-1000XM3」「Bose QuietComfort」と聴き比べてみました。

なぜこの曲を選んだかと言うと、昔バンドをしていたときに彼と全く同じOvationのエレアコを使っていたらです。かなり弾き倒したのでこのギターの音色は一発で聴き取れる自信があります(笑)

で、入念に聴き比べした結果、もっともこのギターの生音に近かったのが「Beoplay H9i」でした。

ギターからはちゃんとギターの音が鳴る。当たり前だけど案外再現できてないデバイスは多いです。めっちゃ大事です。

アプリで好みの音質に調整できる

EDM、ヒップホップなどジャンルによっては低音を強調したいケースも起こるかもしれません。

そんなときは専用スマホアプリについているイコライザーを使えば、自分好みに調整可能です。

Beoplay専用アプリ

Beoplayアプリのイコライザー

細かくカスタマイズもできるし、あらかじめ4つのプリセットも用意されています。

Sony・Boseとの音質比較

「Sony WH-1000XM3」と聴き比べてみましたが、こちらは低音が必要以上に強調されていて人工的な味付け。アンプパワーがあるので迫力はあるんですが、音がぼやけて聞こえます。ハイレゾで聴くとまた違うのかもしれないですが、同じAACコーデックで聴き比べると明らかにH9iの方が音質がよかったです。

「Quite Comfort Ⅱ」は「H9i」と似ていて、やや低音強めのクリアな音質でいい線いってるんですが、音の解像度が「H9i」にやや劣ります。

個人的な音質の順位付けは以下になります。

B&O > Bose > Sony

ノイズキャンセリングの性能

ノイズキャンセリングの性能は「Sony WH-1000XM3」に比べるとやや控えめですが、十分すぎるほどにカットしてくれます。体感ではBoseと同じくらい。

B&Oの店員さんいわく、あえて抑えめにしているらしい。あえての意味を深く追求しませんでしたが。

意識して聞こうとすれば人の声がかすかに聞き取れる程度です。音楽を流せば周囲は全く気にならなくなります。

電車の雑音はすっと軽減され、けっこうな確率で乗り過ごします。ご注意ください。

個人的にはノイキャン強すぎるのはちょっと怖いので、これくらいが好みです。

ノイズキャンセリング時のホワイトノイズも全然気になりませんでした。

ノイズキャンセリングの性能を比べると

Sony > Bose = B&O

操作感

右耳のアルミ部分がタッチセンサーに反応し、ジェスチャーであらゆる操作ができます。

Beoplay H9iのジェスチャー操作

  • タップ → 再生・停止
  • くるくる回せす → 音量調整
  • 左右にスワイプ → 曲送り
  • 上からスワイプ → ノイズキャンセリングのオンオフ
  • 下からスワイプ → トランスパレンシーモード(外部音取り込み)

感度がかなりいいので慣れるまでは誤作動を連発させてましたが、慣れてコツを掴めばこれほど直感かつ快適な操作方法はありません。

Bose物理スイッチでの操作です。Sonyは同じようにタッチセンサーでの操作ですが、上下スワイプで音量調節なんですよね。くるくる回すほうが僕は楽に感じました。

アプリからもコントロールはできますが、ジェスチャー操作の方が快適で、癖になる楽しさがあるので、ぜひ使いこなしていただきたい。

あると地味に便利な機能の数々

基本性能もさることながら、あれば地味に便利な機能がいくつか搭載されています。

transparency mode(トランスパレンシーモード)

タッチセンサーを下から上にスライドすると、再生が一時停止され、外部の音を内蔵マイクで取り込んでくれます。

コンビニのレジなどで周りの音を一時的に聞き取りたい時に、わざわざヘッドホンを話す必要がないのでかなり便利です。

この機能はかなり頻繁に使います。

インテリジェンスセンサー

ヘッドホンを外すと自動的に再生を停止してくれる機能。再装着するとまた再生されます。

地味に便利な機能で感動しますが、センサーの感度がよすぎるのか、ちょっとヘッドホンがずれるだけで反応してしまうことがありました。

Transparencyモードを使えばわざわざ取り外す必要すらなくなるので、インテリジェンスセンサーの必要度はそこまで高くないです。

設定でオフにできるので、僕はオフにしています。

マルチポイントが非常に便利

マルチポイントがあれば。同時に2台のデバイスで接続できるようになります。

僕はヘッドホンをMac、iPad、iPhone・テレビと様々なデバイスの再生機として利用するので、この機能が非常に重宝しています。

デバイスを切り替える度にいちいちペアリングし直すあの煩わしさ一度この便利さを味わうともう戻れません。

「Sony WH-1000XM3」はこれができないのがかなり痛いんですよねぇ。Boseはできます。

連続再生可能は18時間、バッテリー交換も可能

ワイヤレスでの連続再生は18時間。

前のモデルより4時間伸びて順当なアップデートを果たしました。

Sony、Boseに比べるとやや短いですが、余裕で1日以上持つので十分すぎます。

また、今後バッテリーが劣化したとしても店舗に行けば交換可能なので、かなり長く使える相棒になりそうです。

バッテリーのみならず、イヤーパッドも交換可能とのことです

コーデック対応を解説。Androidユーザーは注意。

コーデックとはBlueToothの接続方式です。接続方式によって音質が変化します。

コーデック 特徴 音質 遅延
SBC 標準コーデック。ほとんどのBloutooth機器に対応
AAC Apple製品で使用されるコーデック
aptX おもにAndroidで使用されるコーデック
aptX LL 遅延を最も押さえたコーデック 極小
aptX HD aptXをハイレゾ対応
LDAC ソニー開発のハイレゾ対応コーデック

コーデックは再生デバイスとヘッドホン両方が対応している必要があります。例えばヘッドホンがAACに対応していてもスマホが対応していなければ、SBC接続となります。

「H9i」の対応コーデックはAAC/SBCの2種類。

iPhone含むApple製品はAACに対応しているので、相性は抜群です。

 

心配なのはAndroid端末との相性。

1世代前の「H9」は対応コーデックがaptX-LLにも対応してたんですが、「H9i」はなぜかaptXの表記がありません。

もし端末がAACに対応してないとSBC接続となってしまいます。となると心配なのは音質です。

Android端末を持ってないので試せてないんですが、Androidユーザーは実際に店舗で視聴することをおすすめします。

その他の機種との比較

B&O PLAYのヘッドホンにはいくつかシリーズがあります。

今回紹介した「H9i」はBeoplayのフラグシップ(最強)モデル。

今回H9iを購入するに当たり、僕はB&Oの店舗に実際に出向いて、いろんな機種を聴き比べました。

B&Oの店舗で各シリーズを聴き比べた

H9iと合わせて検討したほうがいい同シリーズを2つ紹介します。

H8i

H9iとの一番の違いはイヤーパッド形状です。

H9iが耳をすっぽり覆うオーバーイヤー型に対し、こちらは耳の上にのっかるオンイヤー型。

見た目はよりコンパクトでスッキリしますが、長時間つけると耳が痛くなりやすいです。

ただ音質はH8iの方がよかったです。とくに低音の迫力がH9iより上に感じました。H8iのほうがより耳元に近い部分で音が鳴るからだと思います。

遮音性もH9iの方が一見高そうですが、H8iの方が高かったです。両者を最大音量で比較しましたが、h8iは「なんかしゃりしゃりいってるな〜」くらいの感覚。対してH9iだと今どの曲が流れているかなんとなくわかるレベルで音が漏れました。

音質重視の僕はH8iかH9iで最後まで悩んだんですが、つけ心地もかなり重視するので最終的にはH9iを選ぶ結果になりました。

ただそんなに長時間つけ続けない人であれば、H8iはかなりおすすめできます。

H4

H4は非常にコスパに優れたシリーズ。

オーバーイヤー型の高音質ワイヤレスヘッドホンで、H9iとの違いはノイズキャンセリングとタッチ操作の有り無しくらいです。

音質も上位機種と遜色ないくらいよく、上位モデルに比べてかなり手の届きやすい価格設定で非常におすすめできます。

【トラブル】なぜかMacにつなぐとコーデックがSBCになる問題

iPhone、iPadに接続して音楽鑑賞しているときは高音質に感動していたんですが、なぜかiMacに接続するとこもったような音に。音量もあまり出てない。

これはもしや!?

と思いBlueToothのコーデックを確認してみました。

optキーを押しながらbluetoothアイコンをクリックすると確認できます

optキーを押しながらbluetoothアイコンをクリックするとコーデックを確認できる

SBC接続になってるやないかーい!

最初からそうなってたのか、なにか誤作動でこうなったのかは定かではないんですが、とにかくこのままではせっかくのヘッドホンの性能が活かせません。

 

ということで、ターミナルアプリを立ち上げて以下のコマンドを打ち込み、強制的にAAC接続に戻しました。

sudo defaults write bluetoothaudiod "Enable AAC codec" -bool true

その後iMacとペアリングをし直すと・・

Beoplay h9i 22

無事AAC接続になり、Macでも高音質を楽しめるようになりましたとさ。

もし同様の症状になった人はお試しください。

まとめ

beoplay h9i 着用画像

現在ノイズキャンセリングヘッドホンで最も売れているのは、「Sony WH-1000XM3」でしょう。

まあノイズキャンセリング性能は確かにすごいけども、それほどまでに強烈なノイキャン必要?音質はそれで満足いってる?

僕のようにちょっとでもそう感じたのであれば、ぜひ一度この「Beoplay H9i」も一度手にとって試していただきたい。(全国のB&O店舗や大型の家電量販店で視聴できます)

この音質の良さ、そしてデザイン性の高さは、何をもっても代えがたいものがあります。

1万ほど値段は上がりますが、長期的に見ればこの価格差なんて微々たるもの。実際に使ってみると、お釣りを払ってもいいと思えるほどの満足感は得られます。

とにかく心の底から買ってよかったと思わせてくれる魅力がこいつにはあります。

周りよりもワンランク上のこだわりのヘッドホンを探している人は、ぜひとも検討してみてください。

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