こんにちは、トーマ( @toma_tkb)です。
先日「Sony α6400 高倍率ズームレンズキット」を購入しました。
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カメラ初心者が「Sony α6400」を買ってみた!購入理由と使用感をレビュー
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キットレンズの中身は「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS(SEL18135)」。
これ1本で18〜135mmと超絶幅広い焦点距離をカバーした鬼便利ズームです。
僕は普段、以下の単焦点レンズをつけっぱなしにしているので正直そこまでこのレンズの出番は多くないんですが、いざというときにかなり頼れるレンズです。
今回はSEL18135の使用感を作例付きでレビューしていこうと思います。
スペック
商品名 | SEL18135 |
---|---|
レンズマウント | ソニー Eマウント |
対応撮像画面サイズ | APS-Cフォーマット |
焦点距離 | 18~135 mm |
レンズ構成 | 12群16枚 |
開放F値 | F3.5-5.6 |
絞り羽根 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.29倍 |
手ぶれ補正(OSS) | あり |
フィルター径 | 55mm |
重量 | 325g |
外観レビュー
これだけの広範囲をカバーする高倍率ズームレンズにしては非常にコンパクトです。さすがAPS-C用のレンズですね。
フィルター系は55mm。フィルターを合わせて使う人はお間違えのないように。
レンズ本体にAF/MF切り替えスイッチが付いています。
僕はフォーカスを追い込むときや、意図的にずらしたいときにちょいちょいMF(マニュアルフォーカス)は使います。
カメラ本体でAF/MFを切り替えるのはちょっと面倒なので、AF/MF切り替えボタンがレンズ本体についているのは地味に便利です。
α6400に装着するとこんな感じ。
フードをつけるとこんな感じ。
α6400のボディがコンパクトなのでちょっとゴツく見えますが、レンズ重量はわずか325g。
ボディと合計重量728gと難なく持ち運べるサイズ・重量です。
有り余る焦点距離をカバー
このレンズの最大の利点は、幅広い焦点距離です。
一般的に標準ズームレンズって、24mm-70mm、くらいの焦点距離が多いんですけど、こいつは18-135mmとめちゃくちゃ広い範囲をカバーしてくれます。
広角側と望遠側で見る絵にどのくらい差があるのかをちょっと見ていきましょう。
同じ立ち位置から焦点距離を変えて撮影しましたが、ここまで拡大できるのは驚きです。
ツイストダンスしている謎の集団、周りに人だかりができて近づけなかったんですが、ズームすればドラマチックに切り取ることができます。
動物園や運動会にももってこいですね。
日常生活においてこれ1本あれば撮れないものはほぼないです。
旅行とか荷物を限りなく減らしたいときにも大活躍。こいつ一本もっていっておけば大丈夫という安心感があります。
単焦点レンズでは得られない表現力
焦点距離が変わるということは、単純に物を大きく見せるだけではありません。
広角域、標準域・望遠域でそれぞれ効果が変わるので、画作りがかなり変わってきます。
広角側(18mm)は、パース効果が得られます。
手前のものが広く、奥に行くほど細く見えるというやつです。
風景写真でパース効果を使えばより雄大さ印象をつけられ、ポートレートでうまく使えば足を長く見せたりすることもできます。
一方望遠側(135mm)では圧縮効果が得られます。
奥のものが近くに圧縮されて見えることで、迫力を出しやすいです。
また、135mmほどの望遠距離になれば全身を入れてもぼかせれるし、レンズの歪みも少なくなるので人物(ポートレート)撮影にももってこいの焦点距離です。
単焦点一本だけだと、どうしてもこのような表現力は出せません。
1本で幅広い表現ができるのは楽しいし勉強になります。
AF(オートフォーカス)も速い
α6400はフラグシップのα9ゆずりの超高性能AFが売りの一つです。
そこでこのAF性能を活かしたいということであれば、やはりSony純正に勝るものはありません。
SEL18135は、Sony EマウントAPS-C用ズームレンズでは今現在もっとも新しいレンズ。
やはり新しいほどレンズ性能は進化している傾向にあります。
AF性能や解像感はキットレンズといえど高いレベルにあります。
SEL18135のいまいちな点
便利だけどもそこはキットレンズ、完璧とまではやはりいきません。
実際に使ってみてでてきたイマイチな点を取り上げてみます。
F値変動型で癖がある
SEL18135は焦点距離を変えるとF値が変動します。
F値とは?
広角側だと最小F値は3.5とズームレンズとしてはそこそこ明るいですが、望遠側にすると最小f値5.6にまで下がります。
オートモードで使う分にはそこまで気にならないですが、マニュアルモードで撮影していると露出がばらつくのでRAW現像のときにちょっとめんどくさいんですよね。
高価なズームレンズだと、焦点距離を買えてもF値は固定のものが多いですが、キットレンズなのでまあここは目をつぶらないとですね。
ちなみにF値が低いのでちょっと夜間が心配でしたが、光源がある場所であれば手持ちでもまずまず戦えそうです。
寄れない
最短撮影距離は0.45mなので、そこそこ距離を撮らないとピントが合いません。
僕が持っている単焦点レンズ(SEL24F18Z)と比較すると一目瞭然ですね。
まあこのレンズは異常なほど寄れるので、並べて比較するのはかわいそうではあるんですけどね。
わりと何でも撮れるレンズですが、物撮りやテーブルフォトはちょっと厳しいかなと感じました。
まあクロップすればいけないこともないですけども。
他のSonyのAPS-C用ズームレンズとの比較
SEL18135はその使い回しのよさから、キットレンズとして購入するのであればかなりコスパのいいレンズとなのでおすすめです。
ただ、ボディだけ買って後々ズームレンズを買い足す、となると他のズームレンズも必ず選択肢に入ってくるでしょう。
EマウントAPS-C用の標準ズームレンズはそこまで種類が多くないです。
対象となるのはSEl18135とあと2つ。必ず選択肢に入るであろう残りのズームレンズと比較してみます。
Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS SEL1670Z
みんな大好きカールツァイスレンズの標準ズームレンズです。
僕は単焦点のカールツァイスレンズをメインで使っていますが、こってりとした色乗りのよさと空気感まで映し出す高い描写力が大変気に入ってます。
画質重視の人にはおすすめではあるんですが、そこは言ってもズームレンズ。単焦点レンズにはさすがにかなわないので過度な期待はNGです。
望遠側の焦点距離はSEL18135に比べて物足りないですが、広角側は2mm広く撮れます。広角側の2mmの差は意外とでかい。また、今回とりあげるズームレンズの中では最も小型で軽量です。
そしてこちらはF4通しです。焦点距離を変えてもF値が変わらないのはとても使いやすいです。
また、カールツァイスレンズにはめずらしくレンズ内手ぶれ補正(OSS)もついてます。
ここまで書くと非常に魅力的に感じますが、ただし値段もさすがのカールツァイス。SEL18135に比べて2〜3万円は高くなります。
単焦点メインで使い、足りないところを補うためのズームレンズ、という位置づけの人にとってはこの値段は悩ましい所。
もし僕が単焦点レンズを持っておらず、どれかレンズ1本しか買えない、となればこのレンズを選ぶかなと思います。
SELP18105G
Sonyレンズの高級ライン、Gレンズです。シャープで切れのある描写に評判があります。
このレンズもF4通しで非常に使いやすい。レンズ内手ぶれ補正(OSS)もついてます。
焦点距離も18-105mmと、SEL18135に望遠距離は負けるものの、普段使いに申し分ない範囲をカバーしています。
一般的なズームレンズはフォーカスリングを手動で回して行いますが、このレンズは電動ズームなのが最大の特徴。
電動ズームが向いてるのは動画撮影です。撮影中でもスムーズで違和感のないズーミングができます。動画撮影メインの人はこのレンズ一度でしょう。
逆に写真撮影メインの場合、手動ズームのほうがぶっちゃげ速いし便利なシーンが多いです。
発売してから結構時間が立っているので、AF性能はSEL18135のほうがいいです。
ただ時間が経っていることもあり、GレンズなのにキットレンズのSEL18135とほぼ同じ価格くらいまで値下がりしています。
ボディとキットレンズをセットで買うとさすがにSEL18135のほうが安いですが、単体で見比べると値段はほぼ変わらないので悩みどころです。
サイズ・重量もSEL18135より大きめですね。
AF・望遠距離、取り回しのよさを優先するならSEL18135。
動画撮影、描写力を優先するならSELP18105Gがおすすめです。
まとめ:いざというときに頼れるレンズ
SEl18135の総評ですが、そつなくまとまっている優等生、といった印象です。
眼を見張るほどの画が撮れる描写力、とまではなりませんが、どんな場面でもそつなくそこそこの撮影をこなせるレンズ。
高い描写を求める時は単焦点をメインで使い、足りない部分を補う役割として今後も活躍の場は大いにありそうです。