ポケットWi-Fiも最近ではかなり種類が増えました。
ただ、料金プランがわかりにくかったり、過剰気味な広告で、どれを選べばいいかわかりにくいのが現状です。
よく「ポケットWi-Fiおすすめランキング」といったものを見かけますが、個人的にはあまり参考にするべきではないと考えます。
ポケットWi-Fiはたくさんありますが、シンプルに2つの項目だけ押さえておけば、必ず自分に合ったものを選ぶことができます。
ということで今回は、最適なポケットWi-Fi選びのための押さえるべき2つのポイントついてお話していこうと思います。
ポケットWi-Fiとは?
ポケットWi-Fiとは、小型で持ち運びができる通信端末です。回線エリア内ならどこでもインターネット接続ができる、通信端末です。
モバイルルーターと言ってもあなどるなかれ!年々使える容量が増え、光回線にも迫る勢いで高速化しており、固定回線代わりに使う人も少なくありません。
厳密に言うと、ポケットWiFiはソフトバンクが商標登録している商品名であり、モバイルWi-Fiルーターというのが正式な呼び方になります。意味はほぼ同じなので、特に気にする必要はないです。
ポケットWi-Fiのメリット 固定回線との比較
メリット
- どこでもネットが使える
- 即日から使える
- 回線工事が必要ない
- 引っ越しの度に解約する必要がない
固定回線は引いた場所でしか使えませんが、ポケットWi-Fi家でも外でも使う場所を選びません。
また、固定回線を引く時は工事が必要となりますが、回線工事は予約を取って数日は待つ必要があります。
その点ポケットWi-Fiは、端末が最短で即日に発送されるので、翌日からはいつでもどこでもネットが使えるようになります。
実店舗で端末を受け取れば、数時間後には使うことも可能です。
引っ越しのときも、その度に固定回線を解約、再契約する必要もないので楽ちんです。
ポケットWi-Fiを安易に選ぶのは危険です!
さて、非常に便利なポケットWi-Fiですが、自分のライフスタイルに合った最適なポケットWi-Fiを選ばないと、こんな問題が起こります。
- 契約した後に接続が安定しないことに気づく
- 無駄に大容量のものを選んだせいで、月額料金が高い
- 違約金が発生するので、うかつに解約できない
ポケットWi-Fiによって、接続の安定性、速度、月額料金がかなり変わります。自分にあったものを選ばないと、無駄に高い月額料金を払うことになりかねません。
さらに、ほとんどのポケットWi-Fiは2〜3年の契約期間の縛りがあります。合わないものを長期間使うのはかなりストレスですし、契約期間内に解約すると違約金(2万円前後)が発生するので、うかつに解約もできません。
ポケットWi-Fi選びで押さえておくことはたったの2つ
ポケットWi-Fi選びの2つのポイント
- 電波の種類で選ぶ
- データ通信量で選ぶ
電波の種類によって、通信速度、接続の安定性が変わります。
そして自分が月にどれくらい通信量を使うか、おおよそでも知っておくことで、毎月支払う利用料もグンッと減る可能性があります。
自分の利用環境に合わせたポケットWi-Fiを見つけて、その中から予算内ものを選べぶのが、正しいポケットWi-Fiの選び方になります。
電波の種類で選ぶ
ポケットWi-Fiに使われる電波の種類は大きく分けて以下の2つです。
4G LTEとは?
WiMAXとは?
厳密に言えば、4G/LTEにはオプションでAXGPと言う電波が、WiMAX2+にはWiMAXという電波がオプションで使えますが、メインで使うことはあまりないので今回は省略します。
このLTEとWiMAXの電波ですが、ややその特徴が異なります。
- 通信速度
- 対応エリア
- 電波の強さ
- 通信制限
ここからはLTEとWiMAXを具体的に比較していきます。
通信速度
LTE | WiMAX | |
下り最大 | 612Mbps | 440Mbps |
---|---|---|
上り最大 | 37.5Mbps | 30Mbps |
最大速度はあくまで理論値で、実際にここまでの速度は出ません。また、ポケットWi-Fi端末や場所よって速度は変化します。
下り
ネットを見たり、ファイルをダウンロードするときの速度です。普通にネットを使う時はこの「下り」のがほとんどなので、ポケットWi-Fiは意図的に下りを優先して速くしています。
上り
上りは、ファイルをアップロードする時の速度です。普通にネットを使う分にはそこまで重視することはないです。
LTEもWiMAXもどちらも使ったことはありますが、快適にネットを使うにはどちらも十分すぎる速さです。
特にWiMAXは高周波帯(2.5GHz)の電波なので、しっかり繋がる場所であれば光回線に迫る勢いで高速です。
回線速度の目安ですが、5〜10Mbpsほどで高画質動画を快適に見れる速度です。
対応エリア
LTE | WiMAX | |
全国人口カバー率 | 99%以上 | 90%以上 |
---|
全国人口カバー率は、単純に電波がつながるエリアの広さと考えてください。
LTEは国内ならほぼつながる
LTEは人口カバー率は99%以上。つながらない場所を探すほうが難しいくらいです。
最初に説明したように、4G/LTEはドコモなどの携帯キャリアの回線と同じものです。なので携帯がつながる範囲では、LTEを使ったポケットWi-Fiもつながるということになります。
WiMAXは地方ではつながらない可能性あり
WiMAXのエリアカバー率は94%ほどと言われています。
主要都市ならほぼつながりますが、地方ではつながらないということも起こりうります。
出張で連続で家開けるし、最近家の固定回線あんま使ってないから解約してWiMAXにしたんだけど、出張先でWiMAX繋がらない、、田舎だからしょうがない、、いや契約する時に通信強度マップ見て大丈夫そうだったんだけどなぁ…
— ゆっこ (@yk20501911) 2017年1月26日
WiMAXは、昔に比べると使えるエリアはどんどん増えているし、今後も基地局を増設予定とのことですが、まだLTEほどカバーはできていません。
自分が住んでいるエリアでWiMAXはつながるか、対応エリアを事前にしっかり確認しておきましょう。
山形のド田舎だからWiMAXが入らない~。ていうか買った時にここの住所は入りますか?って実家の住所を店員さんに伝え、確認して入るって言われたから契約したんだぞ~。全く入らんやないけ😇
— メラ🎂 (@mera128s) 2017年8月15日
このように、もし契約したあとに使ってみてもつながらない、ということがあれば、プロバイダによってはクーリングオフも可能です。
Broad WiMAXを例に見ると、初期契約解除制度というものがあって、契約から8日以内なら返却しても違約金がかかりません。
※初回手数料はかかります
つながりやすさ
LTEとWiMAXで大きく異なるのは周波数帯です。
LTE | WiMAX | |
周波数帯 | 700MHz-900MHz帯 | 2.5GHz 5GHz |
---|---|---|
特徴 | 高速 障害物に強い |
超高速 障害物に弱い |
高周波の電波になるほど直進性が強く高速になりますが、障害物に弱いです。
逆に低週波数帯であれば、障害物を周りこんで進むので、障害物の影響を受けずに届きやすくなります。
LTEは障害物に強い
LTEは、700MHz-900MHz帯と低周波数の電波
この周波数帯は建物などの障害物を回り込むので回線がつながりやすいという特徴があります。
LTEは携帯電話に最適化された電波ですが、携帯電話はつながることが何より優先されるので、この低周波数帯が採用されているんですね。
利用価値の高い周波数帯域ということで、プラチナバンドとも呼ばれます。
地下、屋内、新幹線などの高速移動中でのつながりやすさはWiMAXを上回ります。
ポケットWi-Fiを持ち運んで色んな場所で使うことが多い人は、LTEの方がおすすめです。
WiMAXは障害物に弱い
WiMAXは高周波なので、障害物に弱いという弱点があります。
具体的には以下のような場所は、電波の特性上回線がつながりにくくなります。
- 屋内(鉄筋コンクリート)
- 地下
- 高層ビル
- 新幹線など高速移動時
遠出もするしでWiMAXレンタルして使ってるんだけど。やっぱり地下だとつながりにくい。モバイル回線の方は比較的大丈夫だったので、そちらが手放せなくなりそうだ。
— ねこや(平日夜ログイン中) (@neko_ya1) 2017年12月19日
UQ-WiMAXは屋外で使われる事を想定した通信規格だったはずだから屋内だとお察しな性能...しょうがないね。
屋内だとSIM接続のLTE回線を使ったWi-Fiルーターがオヌヌメかな。
*基本的に通信制限あり— 長髪和柄 (@9bamboo_grass) 2018年2月5日
WiMAXのWi-Fi端末を始めて使ってみたが、新幹線内はやっぱりLTEより繋がらないな。
— 森田知宏 (@moritatomohiro) 2018年2月7日
WiMAXは、端末の設定によって、2.5GHz帯と5GHz帯を切り替えることができます。繋がりにくいと感じた場合は試しに切り替えてみてください。
WiMAXでもオプションでLTEが使えるが...
WiMAXには「ハイスピードエリアプラスモード」といって、一時的にauのLTE回線を使えるオプションがあります。
WiMAXがつながらない場所でどうしてもネットを使いたい場合に、このモードに切り替えてLTEを使えるんですが、注意点がいくつかあります。
- オプション料金(1,005円)がかかる
- ギガ放題でも、月上限7GBの制限がかかる
- 7GB以上使うと、速度が128kbpsに低下する
この注意点を知らないと…
あーしくった。ポケットWi-Fiが届いてよくわからなくてハイスピードプラスエリアとかいうのにしちゃった。千円余計に取られるとか、ギガ放題プランでも7GB制限になるとか知らなかった
— タージマハル (@totoromon0727) 2017年12月14日
このようなことになりかねないので、使うのであれば最終手段として使いましょう。
通信制限
LTE | WiMAX | |
通信量制限 | あり | なし |
---|
LTE系は使える通信量に限りがある
LTE系のポケットWi-Fiは、LTEの電波をあくまで借りているにすぎないため、使える量に限りがあります。
例えば月に5GBまで使えるプランの場合、5GBを以上使ってしまうとその月は通信速度制限がかかり、速度は128kbpsまで落ちます。
128kbpsというのは、メールやLineがやっと使える程度、Webサイトを閲覧するにもかなりストレスが掛かる速度です。
制限がかかると実質その月はもはや使いものにならないと考えてください。
なので、LTEのポケットWi-Fiを選ぶ際は、通信料に余裕を持たせてを選ぶことが大事です。
WiMAXは制限なし
一方WiMAXの「ギガ放題プラン」はデータ通信使い放題です。
月にどれだけデータ通信をしても問題なく、固定回線の代わりとしてWiMAXを使う人も多いです。
ただし、3日に10GB以上使うと速度制限がかかります
ただ、速度制限がかかったとしても、1Mbpsほどの速度は保証されているのが、LTE系との違いです。これはYoutubeの標準画質の動画をスムーズに見れるくらいの通信速度なので、致命傷には全くなりません。
速度制限は3日後には解除され、また通常の速度で使えるようになります。
LTEとWiMAXの比較まとめ
- 通信速度はどちらも高速
- 対象エリアが広いのはLTE
- つながりやすいのはLTE
- LTEには通信量に制限があり
データ通信量で選ぶ
月にどれくらい通信量を使うかによって、最適なポケットWi-Fiとプランが見えてきます。
たまにネットを使えればいい(10GB以下)
当てはまるのはこんな人
- 外でたまに使う
- 旅行先・出張先で月に1〜2回使う
最近はカフェでも無料でWi-Fiを貸してくれるところが増えたので、5GBでも十分足りる人も多いと思います。
おすすめポケットWi-Fiは?
月額料金(税抜) | 2,480円(最初の12ヶ月は1,980円) |
---|---|
初回手数料 | 3,000円 |
契約期間 | 3年 |
月間通信量 | 5GB |
電波の種類 | ドコモ 4G/LTE |
現在最も安く使えるポケットWi-Fiです。
ライトユーザーには5GBでも十分な量ですし、もし容量をオーバーしても500円ごとに500MBの容量を追加することもできます。
ただしこの安い料金にはひとつ注意点があります。
Yahoo!wifi!実際の料金
Yahoo!Wi-Fi!は、Yahoo!プレミアム(月額462円)に加入していないと、月額料金が3,696円とかなり上がってしまいます。
なので、実質ヤフープレミアム会員は半強制的に入る形となります。
すでにヤフープレミアム会員の人にとってはそのまま2,480円で使えますが、プレミアム会員未加入者はこの月額料金を上乗せして考えなければなりません。
Yahooプレミアム会員を上乗せした料金
1,980円 + 462円 = 2,442円
13ヶ月目以降
2,480円 + 462円 = 2,942円
これが実質の料金になるので注意してください。
この実質料金を考慮すると、12ヶ月目以降は次に紹介するNEXT Mobile(ネクストモバイル)の方が月額料金が安くなる上使える容量が増えます。
そこそこのデータ量を使いたい(20GB以下)
当てはまるのはこんな人
- ゲームや動画を楽しみたい
- 移動が多い
- 接続が安定しているものを使いたい
おすすめポケットWi-Fiは?
そこそこ容量は使う、または通信量に余裕を持って使いたい、という人はNext mobile(ネクストモバイル)がおすすめです。
20GBプラン | 30GBプラン | |
月額料金(税抜) | 2,760円 | 3,490円 |
---|---|---|
初回手数料 | 3,000円 | |
契約期間 | 2年 | |
月間通信量 | 20GB | 30GB |
電波の種類 | ソフトバンク 4G/LTE |
ソフトバンクLTEの電波をなんと20GBも使えて、3,000円切る値段は価格破壊レベルでお得です。
さきほど紹介した最安のYahoo!WiFiの4倍以上の通信料を使える上、Yahoo!WiFiの実質の月額料金(2年目以降)よりも安いです。
知名度はまだ低いですが、圧倒的なコスパでここ最近注文が殺到しているそうです。
レビュー記事も書いているので、よかったら参考にしてみてください。
-
ネクストモバイルがコスパよすぎてWiMAXから乗り換えた!デメリットもしっかり解説
続きを見る
なおネクストモバイルには30GBとさらに上限を上げたプランがありますが、次に紹介する、通信量を無制限で使えるBroad Wimaxの方が月額料金は安くなります。
たっぷりネットを使う、固定回線代わりに使う
あてはまるのはこんな人
- 固定回線代わりに使う
- 高画質動画をよく見る
- オンラインゲームをやる
以上の項目に当てはまる人は、容量が100GB以上あっても足りないかもしれません。
ポケットWi-Fiで補おうとするなら、WiMAX一択になります。
ちなみにWiMAXは「GMO とくとくBB」や「Broad WiMAX」など多くの種類がありますが、これらはすべて販売代理店のためサービス内容は変わりません。料金や特典が変わってくるだけです。
WiMAXの選び方は別記事にて掲載予定です。
おすすめポケットWi-Fiは?
月額料金(税抜) | 3,411円(最初の3ヶ月は2,726円) |
---|---|
初回手数料 | 3,000円 |
契約期間 | 3年 |
月間通信量 | 7GB |
電波の種類 | ソフトバンク 4G/LTE |
先ほど紹介したネクストモバイルは30GBの大容量プランもありますが、30GBプランを使うのであればBroad WiMAXのほうがおすすめです。通信料が無制限で、なおかつネクストモバイルの30GBプランより月額料金が若干安くなります。
普通WiMAXでauの4G/LTE回線を使うと、月額1005円のオプション料金がかかるんですが、BroadWiMAXはこの料金が無料になるのも熱いポイントです。
※ただしハイスピードエリアプラスモードを使った場合、「月に7GBの制限」はかかるので注意。
WiMAXには様々なプロバイダがあり、どこで選べばいいか迷うかと思いますが、個人的なおすすめはBroad WiMAXになります。
WiMAXのプロバイダの選び方は後日別に記事を掲載予定です。
まとめ 賢く選べば安く使える
自分の利用環境、つまり「どこでどれくらい使うか」をしっかりと把握しておけば、おのずと最適なポケットWi-Fiは見えてきます。
超簡単にまとめると、
移動が多い人 → LTE回線のポケットWi-Fi
固定回線代わりに使う → WiMAX
という選択がベストだと思います。
ぜひ参考にしてみてください。